アポロニウス円錐曲線論2
円錐曲線の対称性
楕円または双曲線上の一点における接線は、焦点と結んだ線の角を常に二等分する。
このことを証明しようとしたら行き詰ってしまった。
急がば回れ。
下のように回り道をしてやっと証明ができる。
接点で和が最小であったり、差が最大となるという性質を用いる。
楕円の場合は二つの焦点と楕円周上の点の和が常に一定。EG+GD=一定。つまりこの接線に対してEに対称なE’を求めると、E’Dの長さは変わらないということ。放物線の場合は差BH-CHが一定。つまりCB’の長さは変わらない。
対称性の証明 これは見事な証明でなかなか思いつかない。楕円の場合は、接線の上の点Gをとり、GE+GDが最小の値をとる所が接点A。双曲線は、Hを動かしてみるとHBとHCの差が最大の値をとる所が接点Fの位置。
最小と対称・・・これは楕円で用いる
今度は差が最大になる所・・・これは双曲線で用いる
円錐曲線は接線で焦点に対して対称となる
和で言うと、最小の値になる所は対称点と直線で結んだ線との交わった位置である。(逆も言える)
楕円で見ると、接線に対して和が最小になるのは接点である。(接点以外は楕円の外にあるから)
したがって接点において対称点と直線となり、対称点だから角度も等しい。
差の場合も同様に言える。
この証明自体がとても面白い。
対称性がこんなところで使われていることに感動。
なお、この証明は「幾何学大辞典」岩田至康著を参考にした。