正多面体群を置換で表そう
1.正多面体の基本
このワークシートはMath by Codeの一部です。
正多面体は5つありますが、双対性を使うと3種類だけです。
<双対性と3種類>
「正多面体が5種類だけ」の証明は省略します。
正多面体がオイラーの多面体定理「面数+点数ー辺数=2」に従うということはから、
面と点を入れ替えた立体では、構造が保たれるということが予想できますね。
・「面と点を入れ替える」
というのは数値の上の話しではなく、
多面体の各面の中心に点を打ち、できた各点でとなりあうものを連結して多角形の面を作る。
この作業が、面と点を入れ替えるという作業です。もちろん面の数だけ点ができますが、
点をつないでできた面には、もともとあった点が1対1に対応します。
だから、面と点が集合体としても入れ替わり、個数も入れ替わるのです。
・正多面体を動かして自分に重ねる操作を要素とする集合を考えます。
動かさない要素が単位元、操作の結合は動かす操作になって結合法則が成り立ち、逆元もある。だから、正多面体を動かす操作の集合は操作の結合という2項演算で閉じている群になりますね。これを正多面体群といいます。
面の数に着目して、正n面体群をPnとかP(n)と書いたりします。
・正6面体(立方体)の面数、点数、辺数は、(F,V,E)=(6,8,12)です。
面と点を入れ替えると正8面体(Octahedron)になりますが、(F,V,E)=(8,6,12)です。
面と点を入れ替えても動かし方は同じなので、P8=P6となるでしょう。
・正5角形を12枚でできる正12面体は(F,V,E)=(12,5*12/3,5*12/2)=(12,20,30)です。面と点を入れ替えた正20面体(Icosahedron)は正三角形のあつまりで (F,V,E)=(20,12,30)です。
面と点を入れ替えてても動かし方は同じなので、P12=P20です。
・特に正4面体(Tetrahedron)は自分と双対です。(F,V,E)=(4, 4, 6),面と点が同数なので、
面と点を入れ替えても正4面体ができるだけですね。
2.群は働き者です
ギリシャ文字や特別な書体は高級、難解に見えてしまう危険があります。
学習の安全のために、できるだけ英文字の通常書体を使うことにします。
<群の集合への働き、作用>
群Gの集合Xへの作用fとは,Gの要素gとXの要素xに対する2項演算の結果f(g,x)のことで、Xの要素。
演算を中置式にするときは、演算記号*を使うけれど、演算記号を省略することもある。
・f(1,x)=x, f(g,f(h,x)) = g*(h*x)=(gh)*xなら作用fは左作用(左から右へ作用)
・f(1,x)=x, f(g,f(h,x)) = (x*h)*g=x*(hg)なら作用fは右作用(右から左へ作用)xhgと書いたりもする。
・作用は結合法則が成り立つので、準同型写像になる。
(例)
集合X=Gとすると、結合法則から、群の要素の積を左からみれば、GからGへの左作用とみることができるし、積を右からみるとGからGへの右作用とみることができる。
<群の置換で表す>
群Gが集合X={x1,...,xn}に左から作用をするとき、g∈GがXのi番目xiに作用fをしてxjに動いたとしよう。
j=f(g,i)ですが、iを固定しているので、2項演算をただのgによる関数として考えると、
j=f(g)(i)とみなすことができるね。(これは、多変数関数のカリー化による部分適用と似ているね。)
このことを記号で凝縮すると次のようにもかける。
g・xi=xf(g)(i)
f(X)はXの置換を引き起こす。だからfは群G→群Snの写像と言える。
しかも、群Gの要素g,hに対して、Xの要素番号に対する置換は、f(gh)=f(g)f(h)をみたす。
だから、fは準同型写像になるね。このfをXへの作用によって定まる。fをGの置換表現という。
しかも、<ケーリーの定理>によれば、この準同型がある。単位元が単位元にうつるので単射である。
ということはKerfでfを割ると、有限群Gは対称群Snの部分群と同型になる。
つまり、
有限群は置換で表せる。
ということだね。
対称群Snはあみだくじたちで表現できる。
有限群はあみだくじでも書ける。素晴らしい!
(例)
作用させる群をG=S3とし、作用の対象をX={x1=1, x2=(1 2), x3=(1 3), x4=(2 3), x5= (1 2 3), x6= (1 3 2)}
としてみよう。たとえば、G∋g=(1 2)でXを動かしてみると、
g・X=(1 2){x1=1, x2=(1 2), x3=(1 3), x4=(2 3), x5= (1 2 3), x6= (1 3 2)}
={x1=(1 2) , x1=1 , x3=(1 2)(1 3)=(1 3 2), x4=(1 2)(2 3)=(1 2 3), x5=(1 2)(1 2 3)=(2 3), x6= (1 2)(1 3 2)=(1 3)}
これからxの番号の変化を調べてみよう。すると、xたちは(1 2)(3 6)(4 5)と置換されたことになる。
この置換がgの表現となる。
<群は同じサイズの同値類に分解できる>
(例)
X={x1,x2,x3,x4,x5,x6,x7,x8}で、x1に群Gの2要素a,bを作用させたときに、
a・x1=b・x1=x1だったら、aとbはx1を動かさないという点で同値と定義すると、
aとbは同値類に属するとも言えるね。この類をHとするしよう。同様にして、同値類が作れる。
x1を他のXの要素x2,x3,x4,x5,x6,x7,x8にうつすGの要素の代表を1つずつとりだし、
同値類の代表元とし、g2,g3,g4,g5,g6,g7,g8と名付けると、GはHによって、同値類に和分解できる。
G=H∪g2H∪g3H∪g4H∪g5H∪g6H∪g7H∪g8H
また、このことを、群論では次のように書くことがよくある。
G=H+g2H+g3H+g4H+g5H+g6H+g7H+g8H
見慣れないと変な感じがするかもしれないけど、0から8までの整数Zを3で割った余りで分類した
余り0類H、余り1類、余り3類の3類をH,1+H、2+Hとかくと、
Z=[0,1,2,3,4,5,6,7,8]=[0,3,6]+[1,4,7]+[2,5,8]=H+(1+H)+(2+H)とかいているようなものだ。
ラグランジュの定理(部分群Hの位数は群Gの位数の約数)のもとが、
同値類の位数がどれも等しいことから来ていたことを思い出すと
|G|=|H|×|X|になる。|X|=|G|/|H|ということだね。割り算を比で表し、
|X|=|G:H|=8とかくこともある。
この位数Gと位数Hの商8を指数と呼ぶこともある。
(例)
正多面体群で1つの頂点を動かさない動かし方は、1つの頂点v0にあつまる辺(E)の数E(v0)と同じ。
だから、正多面体群の位数=|V||E(v0)|という便利な公式ができる。
<軌道と安定化群>
群Gが集合Xに作用する(動かす)場面で、面白い性質が出てくる。
・g∈Gでx∈Xが動いた結果(gx)の集合はXの部分になる。
これをxのGによる軌道、G軌道(Orbit)といい、OGxとかくことにする。
(単にG(x)と書く人もいる。)
(例)
立方体を2対面の中心を通る軸で90度のn倍で反時計周りに回転するとき、n={0,1,2,3}なら
この回転は90度回転を生成元とする巡回群C4, Z4と同型になるね。
これを群Gとする。
立方体は球に内接しているとして、北半球の点を北からみて反時計周りにX={p0,p1,p2,p3}とする。
南半球もp0の南の頂点をq0として、北から見て反時計回りにY={q0,q1,q2,q3}とする。
P0のGによる軌道OG(p0)=Xとなり、同様にOG(q0)=Yとなるね。
こうして、|X|=|Y|=4となった。X+Y=頂点全体で、XとYは共通部分がない。
頂点のG軌道分解と言えるね。
・x∈Xに対して作用してもxを動かさない(gx=x)g∈GはGの部分群となる。
これを、xの安定化群(Stabilizer)または固定部分群といい、SGxとかくことにする。
(これらの名称や記号は人によりかなり違う、StabGx,StaGx,SGx、G・xとか色々ある。)
(例)
正多面体を原点中心とする球面に内接し、北極に1頂点があるように初期化する。
そのとき、北極を動かさない安定化群、固定部分群は
行列式が1の直交行列群、つまり3次の特殊直交群SO(3)の回転を表す行列群の部分群として、
{{cosθ, -sinθ, 0},{sinθ, cosθ, 0},{0, 0, 1}}(θは0以上2π未満) で求められる。
・OST
軌道ー安定化群の定理[Orbit-Stabilizer-Theoream]
(安定化群のサイズ)=(群の位数)÷(軌道のサイズ)となる。
これは、上記の群の同値類への和分解と同じ議論でわかるでしょう。
正多面体の頂点の集合X={x1,x2,...,xn}に正多面体群Gの要素gが作用すると、
x1をどこに移すか、x1のままか、x2,....,xnかによって、Gをn個の同値類に和分解できるね。
そのx1を動かさない類がx1の安定化群と同じになる。
だから、OG(x1)=x1の軌道=Xで、H=SG(x1)となるね。
|G|=|H|×|X|だから、(群のサイズ)=(xの安定化群のサイズ)×(xの軌道サイズ)で求められる。
<群の共役類分解>
前回、群Gの要素gで、要素xにgxg-1をする変換fをigと名付け、
y=ig(x)と移動するもとと行先のペアx,yを共役と呼ぶことにした。
yの求め方として、辞書x={キー:値} のキーと値の両方にgを作用させればよかったね。
G=S3={e,s=(1 3 2),r =(1 2 3), a=(2 3),b=(1 2),c=(1 3)}のとき、
G∋g=(1 2 3) x=(1 3 2 )なら y=gx=g{1:3, 2:1, 3:2}={2:1, 3:2,1:3}=(1 3 2) と置換型が同じになった。
x=(1 3) ={1:3, 2:2, 3:1} ならy={2:1, 3:3, 1:2}=(1 2)となり、置換型が同じになった。
共役(y=gxg-1)な2要素を同値とすると、共役類Cj(x)は、同じ置換型で判断できると予想できるね。
上の例では、Cj(s)={r,s}, Cj(a)={a,b,c},Cj(e)={e}と3つの共役類ができる。
共役類の位数は、互換の類の位数は3,3次巡回置換の類の位数は2、単位元の位数は1
共役類の位数はGの約数になることがわかる。
xの共役類Cj(x)はxのG軌道でもあるから、GをG軌道分解できたように共役類で和分解できる。
共役類の位数の合計は群の位数に等しい。合計すると、|G|=|{e}|+|{a,b,c}|+ |{r,s}|=1+3+2
この等式を類等式という。
(例)
対称群S4の類等式
n=4のとき|S4|=4!=24だから、類等式で24を共役類の位数で和分解しよう。
4=3+1=2+1=2+1+1=1+1+1+1に対応する巡回置換の型とそのに対応する位数は
4,3+1,2+1,2+1+1,1+1+1+1→(abcd), (abc)(d),(ab)(cd), (ab)(c)(d), e
→(4-1)!=6, 2×4C1=8, 4C2/2=3, 4C2=6, 1
だから、24=6+8+3+6+1
・Gのすべての要素と可換な要素の集まりをGの中心という。Z(G)とかくこともある。
もちろん、単位元は中心にあり、中心に属する要素は可換という性質により中心は群になる。
中心は単位元だけのこともあれば、整数の加群のように可換群なら全体と一致する。
xの共役類の要素がx1つなら、gでもgxg-1=xつまり、gx=xgだから、xがGの中心にある。
この逆も言える。
・適当なx∈Gに対してGによる共役の働きig(gxg-1)に対する安定化群Cx={g: gxg-1=g}は、
gx=xgとなるGの要素、つまり、xと可換な要素gの集まりで、xの中心化群という。ZG(x)
安定化群の等式、(群のサイズ)=(xの安定化群のサイズ)×(xの軌道サイズ)のように、
(群のサイズ)=(xの中心化群のサイズ)×(xの共役類のサイズ)ができる。
xの中心化群とxの共役類は、そのサイズが相反する、反比例する関係にあるね。
正6面体には2つの正4面体が入っている。
3.正多面体群は置換群で言いかえられる
質問:正4面体をgeogebraでかくには座標をどうえらんだらよいでしょうか。
正4面体を描くには、立方体の頂点が使えます。
立方体は8頂点(±1,±1,±1)で作れます。
これから、
-1を偶数個(0か2個)の4点(1,1,1),(1,-1,-1),(-1,1,-1),(-1,-1,1)にするか、
-1を奇数個の4点(-1,-1,-1),(-1,1,1),(1,-1,1),(1,1,-1)にすると
正4面体ができます。だから、立方体の頂点から素な正4面体が2つ作れますね。
<正4面体群P4≅A4>
・正四面体群P4の特徴をさぐろう。
正四面体を自分自身に重ねる変換は、4つの頂点1,2,3,4の入れ替えになります。
交代群A4は4本あみだくじの偶置換が作る群だ。この2つが同型になる。
正四面体は頂点は4つある。頂点の集合X={1,2,3,4}に正多面体群P4が作用した軌道サイズは4。
1つの頂点に集まる辺数は3, 頂点数=4
だから、|P4|=1点にあつまる辺の数×頂点数=3×4=12個。
・正四面体群P4の種類別にみてみよう。
イ・4頂点から底辺の中心に下した4軸での2種の回転(120度回転、240度回転)で、4×2=8個。
ロ・対辺の中点どうしを結ぶ3×2÷2=3軸での180度回転で、3個。
ハ・無回転が1個。
P(4)の要素は12個=8+3+1
A4の要素は、対称群S4の半分だから、4!÷2=12個
S4は4本あみだだから、そのうち互換偶数個、つまり、偶置換をリストアップしてみよう。
イ・互換が2つで3次巡回置換は4×2=8個。 (1 2 3),(1 3 2), (1 2 4),(1 4 2), (1 3 4),(1 4 3), (2 3 4),(2 4 3)
ロ・互換が2つなら共通要素がない積で4-1=3個。(1 2)(3 4), (1 3)(2 4),(1 4)(2 3)
ハ・互換の数が0ならe
12個=8+3+11個。
P4のイは1頂点に集まる3頂点を2通りの向きに回すと2通りの巡回置換ができる。
P4のロは中点のある辺の組の選び方は4C2/2=3通りで、2組の辺の2頂点が入れ替わる。
まさに、P4とA4が同型であることは明白だね。
P6とS4は同型
正6面体は立方体でもあります。
各頂点の距離が等しいので、立方体は8頂点
(±1,±1,±1)で作れます。
<正6面体群P6≅S4=P8>
正6面体(立方体)を自分自身に重ねる変換は、
立方体の中心を通る4本の主対角線1,2,3,4の入れ替えになる。
対称群S3は4本あみだくじの群だ。この2つが同型になる。
正6面体は頂点は8つある。頂点の集合X={1,2,3,4,5,6,7,8}に正多面体群P8が作用した軌道サイズは8。
1つの頂点に集まる辺数は3、頂点数8だから|P6|=3×8=24個。
P6の部分を種類別にみてみよう。
ア・2対面の中心を結ぶ6÷2=3軸で90度の1、2、3倍回転する、3×3=9個。
イ・対辺の中点どうしを結ぶ4×3÷2=6軸での180度回転で6個。
2対辺を含む平面内の2対角線が交換されるが、残りの対角線は上下反転するが自分と重なる。
ウ・主対角線、4軸での120度の1、2倍回転する、4×2=8個。
エ・無回転が1個。
P6の要素は24個=9+6+8+1
S4は4本あみだだ。リストアップしてみよう。
ア・4次巡回置換は3×2×1=6個。(1 2 3 4),(1 2 4 3),(1 3 2 4),(1 3 4 2),(1 4 2 3),(1 4 3 2)
互換が2つなら共通要素がない積で4-1=3個。(1 2)(3 4), (1 3)(2 4),(1 4)(2 3)
イ・互換が1つなら4C2=6個。(1 2),(1 3),(1 4),(2 3),(2 4),(3 4)だね。
ウ。互換が2つで1つは不変な3次巡回置換は4×2=8個。
(1 2 3),(1 3 2), (1 2 4),(1 4 2), (1 3 4),(1 4 3), (2 3 4),(2 4 3)
エ・互換の数が0ならeの1個。
対称群S4の要素は4!=24=(6+3)+6+8+1
立方体のときと同様に、P6とS4が同型であることは明白だね。
T20はA5と同型だ
質問:正20面体をgeogebraでかくために座標をどう設定したらよいでしょうか。
黄金比はΦ=phi=(1+√5)/2です。
これは、正五角形を描くときにできる長さです。
正五角形の1辺を1とするときの対角線の長さがΦです。
対角線の長さをxとすると、三角形の相似から1:(x-1)=x:1となり、
x2-x-1=0の正の解がΦだからです。
また、正20面体は、北半球と南半球からなり、頂点は3×20÷5=12個ある。
2つの半球は合同で、1点に正3角形を5つあつめて、その周囲に正3角形を5つつけた10面の半球サラダボールを作る。頂点は北極を1、北極回りの5個を北からみて反時計回りに2~6としましょう。
すると、1を中心にする正5角形ができます。
この1辺の長さを2とする。
4と6を結ぶ線は正5角形の対角線だから2Φになるね。
南極も同じルールで番号をつけますが、区別のために1’、2'、…、6'のようにダッシュをつけます。
すると、1'を中心とする正五角形が球体を中心のとする4,6に点対称な4’、6’がある。
だから、四角形4,6',4',6は点対称で対角線の長さ44',66'が球の直径で等しいので、長方形になる。
この長方形はたて、よこが2と2Φになるね。
同様にして四角形23'2"3が合同な長方形になり、四角形15'1'5が合同な長方形になる。
3つの長方形が互いに球の中心で直交する。
これから、12頂点の座標は次のようにすることもできますね。
(0,±phi,±1), (±1,0,±phi), (±phi,±1,0)
<正20面体群P20≅A5=P12>
正20面体は、北半球と南半球からなる。
正20面体の頂点は3×20÷5=12個、辺は3×20÷2=30個。
|P12|=頂点数×1頂点にあつまる辺数=20×3=60
|P20|=頂点数×1頂点にあつまる辺数=12×5=60
2つの半球は合同で、1点に正3角形を5つあつめて、その周囲に正3角形を5つつけた。10面の半球サラダボールを作る。頂点は北極を1、北極回りの5個を北からみて反時計回りに2~6としましょう。
南極も同じルールで番号をつけますが、区別のために1’、2'、…、6'のようにダッシュをつけます。
また、面には
北極の周りを三角形145を①、三角形123を④として、反時計回りに①~⑤の番号をつけます。
その下の1周は③の下の三角形624’を①として、反時計回りに①から⑤の番号をつけます。
その下の1周は三角形35'6'を①として、反時計回りで①~⑤として番号をつけます。
最後の1周は三角形1'2'3'を①として反時計回りに①~⑤と番号分けしましょう。
頂点1の周りは外からみて①②③④⑤が反時計回りに取り囲み、
頂点1’の周りは外からみて①②③④⑤が時計回りに取り囲みます。
頂点6の周りは外からみて①③②⑤④が反時計回りに取り囲み、
頂点6’の周りは外からみて①③②⑤④が時計回りに取り囲みます。
省略しますが、6頂点xの周りは①から⑤までの円順列が反時計回りに取り囲み、
同じ番号の6頂点x’の周りはxと同じ順に時計回りに取り囲みます。
交代群A5は対称群S5は5本あみだくじの群のうちの偶置換だ。P20とA5が同型になる。
ア・2対面の中点どうしを結ぶ20÷2=10軸での360÷3=120度の1,2倍回転で10×2=20個。
三角形35’6’と三角形3'56の中点どうしを結ぶ軸での120度回転で(②③④)の巡回置換が起きる。
三角形123と三角形1'2'3'の中点どうしを結ぶ軸での120度回転で(②⑤③)の巡回置換が起きる。
イ・同じ番号の頂点xx’を結ぶ軸で360÷5=72度の1,2,3,4倍回転、6×4=24個。
頂点1と1'軸で72度回転すると(①,②,③,④,⑤)と巡回置換を起こす。
頂点6と6'軸で72度回転すると(①,③,②,⑤,④)と巡回置換を起こすね。
ウ・2対辺の中点どうしを結ぶ30÷2=15軸での180度回転で、15個。
2対辺12と1'2'の中点どうしを結ぶ軸での180度回転で辺をはさむ(①⑤)(③④)の互換の積がおきる。
2対辺23と2'3'の中点どうしを結ぶ軸での180度回転で辺をはさむ(②④)(③①)の互換の積がおきる。
エ・無回転が1個。
P20の要素は60個=20+24+15+1
交代群A5の要素は5!÷2=60個。S5は5本あみだだ。そのうちの偶置換をリストアップしてみよう。
ア・互換が2つで3次巡回置換は5C2×2=20個。
(3 4 5),(3 5 4), (2 4 5),(2 5 4),(2 3 5),(2 5 3),(2 3 4),(2 4 3),(1 4 5),(1 5 4),
(1 3 5),(1 5 3), (1 3 4),(1 4 3),(1 2 5),(1 5 2),(1 2 4),(1 4 2),(1 2 3),(1 3 2)
イ・互換が4つで5次巡回置換は4×3×2×1=24個
(1 2 3 4 5),(1 2 3 5 4),(1 2 4 3 5),(1 2 4 5 3),(1 2 5 3 4),(1 2 5 4 3)
(1 3 2 4 5),(1 3 2 4 5),(1 3 4 2 5),(1 3 4 5 2),(1 3 5 2 4),(1 3 5 4 2)
(1 4 2 3 5),(1 4 2 5 3),(1 4 3 2 5),(1 4 3 5 2),(1 4 5 2 3),(1 4 5 3 2)
(1 5 2 3 4),(1 5 2 4 2),(1 5 3 2 4),(1 5 3 4 2),(1 5 4 2 3),(1 5 4 3 2)
ウ・互換が2つ共通要素がない積で5×4C2÷2=15個。
(5 2)(3 4), (5 3)(2 4),(5 4)(2 3)、 (1 5)(3 4), (1 3)(5 4),(1 4)(5 3)、 (1 2)(5 4), (1 5)(2 4),(1 4)(2 5)
(1 2)(3 5), (1 3)(2 5),(1 5)(2 3)、 (1 2)(3 4), (1 3)(2 4),(1 4)(2 3)
エ・互換の数が0ならeの1個。
1対1に対応を検証するのは大変なので省略しますが、構造上の同一性から、
細部の検証をしなくてもP20とS4が同型であることは類推できるね。