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4元数を利用して、4次元の影絵をかこう

このページはマス旅の一部です。 高次元のものを人は直接見ることはできません。4元数も4次元の存在です。 でも、4元数は3Dの回転に使えました。 4元数を使うと、高次元の動きを「分解した影絵」をかけます。 それがファイバーバンドル(毛皮、繊維束)です。
<ファイバー束の毛をぬくと台が残る> ファイバー束は毛皮です。皮にファイバーという毛の束が密集しています。 たとえば、メビウス帯Mは円周S1の各点xに 線分[0,1]のコピーFx(ファイバーという毛)を貼り付けながら回転していき、 1周したときに線分が180度回転した毛の束(ファイバーバンドル)と見ることができます。 一般に、空間X(台空間)の各点xに 別の空間FのコピーFx(ファイバー)を乗っけていき、 大きい空間E=∪Fxができるとき、Eをファイバー束というのです。 この由来は連続的な変化、つまり微分できる多様体を分類するときの商空間から生まれたようです。 このメビウス帯Mの場合は、2次元曲面をセンターラインにつぶせるという発想につながります。 連続性を考えやすくするために、xにFxを対応させるのではなくて、 ファイバー束から台空間への写像(影絵)を考えるのです。 p:E(ファイバー束)→X(台空間)です。 メビウス帯の場合は p;M→S1 です。 メビウス帯を作る工程は[0,1]の維持と、[0,1]の反転という2つの要素からできているから、位数2の群構造を持つことが見えてきます。 このように、ファイバー束という見立ては、 多様体での連続的な変化を分解して、影絵を作ります。 円周という舞台で、スムーズに踊る線分が、 メビウス帯の影絵 です。 では、ファイバー束作り(ファイバリング)はいろんな人が作っています。 ここでは、Hopf(ホップ)さんのファイバリングを調べましょう。 <4次元の影絵を見る> 4次元空間内の3次元単位球面 S^3 をEとしましょう。 Eを2次元球面 S^2を台空間Xの各点xに『円(S^1)』というファイバーFxを貼り付けたファイバー束として考えてみよう。 π:E(ファイバー束)→X(台空間)の写像を作りましょう。 π:S^3→S^2(台空間)です。 具体的には π:q(単位4元数)→v=q (0,(0,0,1)) q*(2次元球面上の位置ベクトル) つまり、z軸上のベクトルkをqによって回転した結果の位置vが対応します。 貼り付けたS^1のコピーは消えたのでしょうか? いいえ、そうではありません。メビウス帯のp写像で帯がつぶれても、 円周の行先で踊る線がありました。 「行き先の点 v(S^2 上の1点)」を固定しても、 そのベクトル v 自身の軸周りの自転(位相の変化)の自由度が S^1(1次元の円) として残ります。 つまり、次元下げというよりは舞台とダンサーの分解と見た方がよいでしょう。 「3次元の回転姿勢(S^3)= 行き先(S^2)+ 軸周りの自転角(S^1)」 という見事な分解を表しているのがホップ束です。 わかりやすく言えば、4次元の動きを3次元空間で影絵として見ることができるということです。 特定の条件をつけると面白い影絵が見えてきますよ。 あらゆるファイバー(円)がトーラス(ドーナツ面)を描く: S^2 上の同緯度の点を集めると、3D空間内では同心円状にネスト(入れ子)されたトーラス(ドーナツ)になります。 ファイバー同士が絶対に交わらず、リンク(鎖のように絡み合う)する: S^2 上の異なる2点に対応する2つの円は、3D空間内で必ず1回だけお互いにくぐり抜けて絡み合い(Hopf link)ます。 1本だけ直線になる: 立体射影の北極点に対応する1本のファイバーだけは、無限遠点を通る「直線(半径無限大の円)」として中心を貫きます。 課題:これらをGeogebraで表示するにはどうしたらよいでしょうか。 タイトルは「4次元のダンス」 R_1 = 2 # 大半径(固定) v = Slider(0.01, π - 0.01, 0.01) # S^2 の緯度(ドーナツの太さ r_1 を制御) r_1 = R_1 * tan(v / 2) #緯度 v に連動する小半径 u = Slider(0, 2π, 0.01) # S^2 の経度(ファイバーの位置を移動) # 影絵が描く「舞台」:トーラス(ドーナツ面) Torus = Surface((R_1 + r_1*cos(b))*cos(a), (R_1 + r_1*cos(b))*sin(a), r_1*sin(b), a, 0, 2π, b, 0, 2π) # 踊り子(ファイバー1) # 踊り子(ファイバー2) fiber1 = Curve((R_1 + r_1*cos(t))*cos(t + u), (R_1 + r_1*cos(t))*sin(t + u), r_1*sin(t), t, 0, 2π) fiber2 = Curve((R_1 + r_1*cos(t))*cos(t + u + π/2), (R_1 + r_1*cos(t))*sin(t + u + π/2), r_1*sin(t), t, 0, 2π) # 中心を一本貫く「無限大の円(直線)」 z_axis = Line((0,0,0), (0,0,1))

4次元のダンス

<振り返り> 次元が高いものをそのまま見ることはできないが、S^2上の同じ緯度vによって、 S^1のコピーが踊る場所が限定される。S^1の異なる位相(S^3での別の点)に対応するS^1のコピーは トーラス上でずれたまま交わることなく回転することがわかる。 これはファイバーの緯度を固定して、経度をアニメーションしていた。 ここで、緯度もアニメーションにすれば、トーラスも変換して絡みつく踊り子も変化する。 このことを想像することで、もとのS^3の複雑さな仕組みが見えてくるかもしれないね。 3D利用の現場では、カメラワークのねじれの修正や複雑に回転する飛行物体の動きの追跡や、操縦席からみたまわりの景色のなめらなか変化のデータ化などで、このホップファイバー束は使われているようですね。