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11.微分とグラフ

このページは電子ブック「探求 数学Ⅲ」の一部です。

1.微分係数と直線

<微分係数は傾き> 関数y=f(x)の微分係数f'(a)は、関数のグラフとの接点(a,f(a))での接線の傾き[slope]と等しい。 y=f(x)のx=aにおける接線[tangent line]の方程式は、y=f'(a)(x-a)+f(a) また、方向ベクトル(p,q)と垂直なベクトルは(q,-p)と言える(内積=0)し、 2つの傾きm,nが垂直なのはmn=-1のときだとも言える。 こうして、接点を通る法線[normal]の方程式はy=-1/f'(a)(x-a)+f(a)となるね。 (例) 「y=exのx=aでの接線と法線の方程式」は? a=0のとき、 y’もexで、e0=1だから、接点は(0,1)傾きも1。y=x+1が接線。法線はy=-x+1。 x=aのとき、接点は(a,f(a)),傾きもf(a)だから、y=f(a)(x-a)+f(a)が接線で、法線の傾きは-1/f(a)。 (例) 「曲線x2+xy+y2=1の接点(1,0)での接線の方程式」は? xで微分して2x+y+xy'+2y・y'=0から、y'=-(2x+y)/(x+2y)。傾きは-(2)/(1)=-2。y=-2(x-1)+0=-2x+2 (例) 「曲線x=cos5θ,y=sin5θの(x(θ),y(θ))での接線の方程式」は?  導関数はdy/dx=(dy/dθ)/(dy/dθ)=(5sin4θ・cosθ)/(5cos4θ・(-sinθ))=-tan3θ。  y=-tan3t(x-x(t))+y(t)

3.2回微分して概形を決める

<2回微分> 積の微分で積の増減をみる。 f(x)=x、g(x)=e-xとするとき、積fg(x)のおよその形を考えてみよう。 f'=1,f''=0, g'=-e-x=-g g''=g ・関数値そのままで値の変化を見る。 f(x)=xはxの正負がそのまま反映されるx=0で0になるので、fg=0になる。 g(x)はすべて正だが、xが負だと絶対値は大きく、0で1、正だと1より小さい。 ・1回微分で極大極小を見る。 (fg)'=f'g+fg'=1g+x(-g)=g(1-x)=e-x(1-x) これから、(fg)'がxが1未満なら正だからfgは増加、(fg)'がxが1より大なら負だからfgは減少、 (fg)'はx=1のときに0だからfgは最大になる。 ・2回微分で変曲点を見る。 (fg)''=(f'g+fg')'=f''g+f'g'+f'g'+fg''=f''g+2f'g'+fg''=0+2(-g)+xg=g(2-x)=e-x(2-x)だから、 x=2で上に凸から下に凸に入れ替わる変曲点。 (例) 「y=f(x)=x+1/xのグラフの概形」は? 反比例のグラフに正比例のグラフをたし算すると考えると、x軸を45°反時計回りに回転した y=xの直線の上側にy=1/xを押し上げた形になることは容易に想像できる。 また、相加平均が相乗平均以上であることをつかうとx=1/xつまり、x=±1で最大最小値の +2,−2になることもわかるね。 微分で検証してみよう。 f(x)はx→+0で∞、x→ー0で−∞。だから、x=0近辺でほとんど1/xと同じグラフになる。 f'(x)=1-1/x2=0の解はx=±1で絶対値が1より多いと正で増加関数、1未満で減少。 f''(x)=2/x3=0の解はない。しかし、xが負で負だから上に凸、xが正で正だから下に凸。 (例) 「y=f(x)=x2e-xのグラフの概形」は? g(x)=x2,h(x)=e-xとすると、g'=2x,g''=2。h'=-e-x,h''=ex g(0)=g'(0)=0。h(0)=h''(0)=1, h'(0)-1。h(x),h''(x)はつねに正、h'(x)は負。これから、 f(x)はx=0で0だから、原点を通る。原点付近はほぼy=x2と同様の下に凸のグラフ。 f'(x)=(gh)'=g'h+gh'=2xe-x-x2e-x=x(2-x)e-x=0となるのは、x=0,2で、0と2の間は正で増加する。 だから、0で最小、2で最大値。最大値は4e-2=4/e2 f''(x)=(2x-x2)e-x=(2x-x2)'e-x+(2x-x2)(e-x)'=(2-2x)e-x-(2x-x2)(e-x)=(2-4x+x2)e-x=0となるのは、 x2-4x+2=0 x=2±√2のときでその間は負で下に凸。それ以外の両側は上に凸。境目が変曲点。