Googleクラスルーム
GeoGebraGeoGebra Classroom

4.極方程式と曲線

このページは電子ブック「探求 数学Ⅲ」の一部です。

★rを変える?θを変える?どう変える?

1.極座標と基本図形

<極座標> x軸の正の部分OXから反時計周りに測った角(偏角[argument])と、原点からの距離(動径[radius])で 点P(rcosθ, rsinθ)の位置を直交座標のかわりに動径rと偏角θのペア(r;θ)で表すものを 極座標[polar coordinates]という。テキストによっては極形式でも(r, θ)と書いているものもある。 しかし、直交座標との混同しやすいので、今後Geogebraのかき方(r;θ)を極形式とする。 極座標のシステムでは、原点Oを極という。 <原点を通る図形の極方程式> rだけ指定、θだけ指定、または、rとθの関係式で、点集合を表す極方程式 ・rだけ指定すると  原点を通る半径kの円の極方程式はr=kだけでよい。  (例)P=(1;θ) ・θだけ指定すると直線  原点を通る角度pの直線の極方程式はθ=pだけでよい。  たとえば、θ=π/4だとすると、45度線y=1/2 xになる。  しかし、rを正に限ると第1象限だけの半直線  になってしまう。だから、rが0や負の場合も入れないと直線全部を表すことができないことに  注意しよう (例)P=(tanθ;π/4) ・rcos(θ- a)= r0 は、点A(r0:a)を通りOAと垂直な直線  (理由)  点P(r:θ), 点A(r0:a)があるとき、角PAOが直角の直角三角形POAがある。  辺PO=rで、角POA=θ- aだから、辺OA=r cos(θ- a)=r0となるね。  つまり、法線OAで、点Aを通る直線上の点Pが満たす方程式になっている。 ・r2- 4rsinθ- 1=0  は、中心A(0, 2)で、半径√5の  (理由)  P(x,y)とすると r2=x2+y2 x=rcosθ、y=rsinθ の置き換えができる。 x2+y2-4y-1=0 x2+(y-2)2=5 ・r = e,r = eθ螺旋  (理由)  r2=x2+y2=e±2θcos2θ+e±2θsin2θ=e± これから、r=e±θ ・r = aθ アルキメデスのらせん。動径がθに比例するから、2,3回転すると、極から2,3倍離れた  ところを通る。だから、通常のr=eθ螺旋のように急激な発散をしない。 (例)P=(1.2θ;θ)

★nと葉の数ってどうつながってるの?

2.正葉曲線

<正葉曲線> (sin(nθ);θ) は極を中心に合同な図形のパーツ(葉)が対称的に並ぶので 正葉曲線[Rose Curve]と呼ばれることがある。 <実験> らせんの1種のように見えるがnが振動のスピードを早めている。 n=1のときは円と同じくθ=0で極からスタートし、θ=π/2でr=1のピークで、θ=πでr=0で極にもどる。 n=2だと2倍の速さでθ=π/(2・2)で2θ=π/2となりr=1のピークになる。 そのα前後の角でsin(π/2+α)=sin(π/2ーα)サインの左右の対称性[symmetry]から、値が等しくなる。 だから、y=tan(π/4)を軸にP(r:θ)の位置は線対称になる。だから、丸みのある葉の形になるね。 n=3だと3倍の速さでθ=1/3・π/2でr=1のピークになる。 <一般化> 振動数nの数はOXからスタートしてn倍の速さでθ=π/2nでnθ=π/2となりr=1のピークになる。 四分円のn分の1のところに1枚めの葉がくるということだね。 sin(π/2+α)=sin(π/2ーα)と1枚目の葉はy=tan(π/2n)を軸にP(r:θ)の位置は線対称になり、 θ=π/nになると、nθ=πとなりr=0となり極にもどり、丸い葉の形になる

★2次曲線がみんな仲間に見えるとき

3.2次曲線と極形式

準線との関係を極形式で表してみよう。 準線エルをx=-a(a>0)とし、P=(r;θ)とするとOP=r 、角POX=θとなる。P(x,y)=(r cos θ, r sin θ) Pからエルに下ろした垂線の足をHとすると、PH=a+x(P)=a + r cos θだから、 となり、この値をe(離心率、逸脱率[eccentricity])と名付ける。 <離心率の思考実験> ・e=1のまま、Pが動けばPO=PHとなり、Pは放物線を描くだろう。POが巨大になるとPHも巨大になるから、極からどんどんはなれていく。 ・もしe=0.5のまま、Pが動くとPO=PH×0.5のため、Pが準線から右にいくと、POも増加するはずだが低空飛行にしないとOPが大きくなりすぎる。そのため、PHには上限がある。逆にPが準線に近くなり、Oの真上を通りすぎるとPは低くなり、PHの下限がある。つまり、楕円のようになりそうだ。 eの値が1より小さいと点Pは極から離れるには限度があると。まさに、eは離心率という語感にあう。 ・逆にe=2のまま、Pが動くと楕円のときとは逆に、放物線以上に上空に離れていく双曲線になりそうだ。 <離心率と一般化> Oが極で、a,eが正のとき、点P(r;θ)の軌跡はOが焦点の2次曲線を表す。 ・rについて解くと、r=e(a+rcosθ)=ea+r(ecosθ)。r(1-ecos)θ=ea。ea=kとおくと、r=  P= ( ea/(1-e cosθ) ;θ) が極方程式になるね。 これを直交座標形の方程式にしてみよう。  PH=a+x で、r=e(a+x)。r2=x2+y2=e2(a+x)2。 ・e=1のとき、x2+y2-(a+x)2=0 。(x+a+x)(x-a-x)+y2=0  y2=a(2x+a)=4・(1/2a)・(x + a/2)。  これから、準線がx=-1/2a-1/2a=-a、焦点が(1/2a+-1/2a,0)=(0,0)の放物線と言えるね。 ・e=1でないとき、ea=kとおく。  x2+y2-(k+ex)2=x2-e2x2-2kex-k2+y2=0   ▢ eが1より小さいとき、(1-e2)は正。楕円の式になる。  軸が2a=2ke/(1-e2),2b=2ke/√(1-e2)の楕円を、x軸方向にk/(1-e2)移動したものだ。 ▢ eが1より大きいとき、(1-e2)は負。頂点が(ke/(1-e2),0) ,(-ke/(1-e2)の双曲線の式になる。 漸近線y=±b/ax=±(ke/√(e21) )/(ke/(e2-1)) x= ±√(e2-1)xを、x軸方向にk/(e2-1)移動したものだ。